定年という言葉が、少しずつ変わってきたと感じる理由
最近、「うちは定年を決めていないんです」と話される経営者の方が増えてきました。
背景には、制度や社会の大きな変化があるように感じています。
これまで当たり前だった「60歳で一区切り」という考え方は、
定年を設けない、定年を引き上げる、継続雇用を選ぶなど、
今では複数の選択肢に広がってきました。
経営者の立場で見ると、
人手不足や技術継承という現実的な課題があります。
「辞められると困る」「まだ力を貸してほしい」
そんな本音を抱えながら、制度をどう設計するか悩まれている方も少なくありません。
一方で、現場の声に耳を傾けると、
「フルタイムは正直きつい」
「責任の重さは少し軽くしたい」
「でも、完全に離れるのは寂しい」
そんな気持ちが入り混じっていることも多いように感じます。
これは、「いつまでも働かなければならない」という話ではありません。
急速な高齢化の中で、
年金を受け取りながらも、意欲や体力
生活に合わせて働き続けたい人が、安心して選べる環境を整えていこう
という考え方が、制度の背景にあります。
現場で実際に感じるのは、
人は「誰かの役に立てている」と実感できると、
年齢に関係なく、表情がやわらぐということです。
仕事は収入のためだけでなく、
社会とのつながりを保つ一つの役割にもなっているのだと思います。
経営者にとっても、現場にとっても、
大切なのは「働く・働かない」の二択ではなく、
どう関わるかを話し合い、選べること。
これからの高年齢者雇用は、
そんな柔らかい発想が大切になっていくように感じています。


